平成30年5月7日(月曜日)に発生した通潤橋壁石垣の一部崩落に関しては、文化庁・熊本県と相談のうえ、大雨による新たな災害復旧事業として修理に取り組む予定です。新事業は、平成30年度中に申請を行い、着手を目指します。
この事業は、熊本地震以後に実施してきた災害復旧事業と同じく、文化財の災害復旧事業であるため、通潤橋の価値を損ねない内容と方法に進めていきます。
崩落に伴う応急処置と修理工事に向けた今後の調査・検討事項について、詳細をお知らせします。
※なお、熊本地震からの災害復旧工事として実施した石垣の修理の考え方、内容については、
1 応急処置
崩落直後より、五老ヶ滝川に落ちた石材の引き上げや崩落石垣の隣接部へ単管パイプによる落石防止措置、石材へのナンバリング作業、石垣の変動を確認するための定点計測などを実施しました。 また、崩落した石材や土砂の回収に取り掛かるためには、二次災害を防止し、現場の安全を確保する必要があります。そのため、落石防止対策として熊本城の石垣復旧工事を参考に、崩落面への金網とモルタルの吹付工事を行い、雨水の流入を防ぎ、現場の安定を図りました。(金網設置・モルタル吹付は、平成30年6月8日完了) |
写真1 五老ヶ滝川へ落ちた石材の引き上げ[撮影:生涯学習課] 写真2 金網設置・モルタル吹付工事(1)[撮影:生涯学習課]
写真3 金網設置・モルタル吹付工事(2)[撮影:生涯学習課]
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2 今後の調査・検討事項
現在、崩落面の測量調査や橋の3次元変位計測を実施しています。 今後は、斜面に崩落した落石を全て回収し、修理計画立案のため、石材の計測、もとの位置の特定を行い、修理範囲や工法の検討に取り掛かります。あわせて、崩落要因を精査し今後の修理に反映していきます。 |
石材・土砂等の崩落状況(上面より撮影)
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