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有機の人(3)

最終更新日:

  中村一義(なかむら かずよし)さん  昭和24年生まれ 北中島

 

中村和義さん

 

 「初代 矢部町農協組合長 佐藤明雄氏」

 

中村一義さんは、矢部高校を卒業後、農業講習所を経て、昭和43年に営農指導員として矢部町農協(当時)に入りました。その時の組合長は佐藤明雄(故人 さとう あきお)氏で、前の浜町農協時代を含め約30年間組合長を務められました。

「佐藤組合長は、私利私欲がない方でした。先見性があり、読書家で新しい本を読むとそれを職員にすすめていました。」

「朝礼でいきなり職員を指名して質問をしたり、叱られるなど厳しい面もありましたが、皆から慕われた教育者でもありました。」 

 

佐藤明雄

                                故 佐藤明雄 氏

  

 昭和40年代、世の中が工業化社会となり、公害の発生や都会の排ガス、そして食品添加物の使用が問題となっていました。そのような中で、佐藤組合長は協同組合活動としての有機農業を提唱します。それは、「食と命」の関わりの中での農業を考えられたからです。生産量を増やして、売上げを多くしようとする時代、有機農業の取組みに対する理解はなかなか得られません。

「佐藤組合長は負けずに持論を主張されていましたが、周りからは『儲からないようなことをして、職員の給料はどこから出るのか』と反発を受けていました。」

 

 

佐藤明雄2
昭和30年代 矢部町農協職員旅行での佐藤明雄組合長

 

  そのような中、昭和52年に旧矢部町で有機農業全国大会が開催され、有機農業が広がる大きな契機となります。

「農家には『にわとり十羽、牛一頭』のキャッチフレーズで呼びかけを行いました。これは、『にわとりを飼って卵は自分の家で賄おう。十分な堆肥を生産するため、牛をあと一頭増やそう』という意味です。」

 消費者の有機農業への関心も、市民生協やグリーンコープなどで少しずつ高まっていきます。

「熊本市の湖東公民館で、消費者と生産者でお互いに話合いをしました。私たちは消費者の声を聞き、消費者には生産者の苦労を伝えていました。」

  

 JA交流会
平成30年6月 JAかみましきと有機農業研究会とグリーンコープ生協くまもと会員との交流

 

 平成元年、矢部町農協は、県内で初めて野菜の直売「青空市場」を開始します。トラック2台にテントと野菜、乾物を積んで、熊本市内の銀行の駐車場で販売をしました。

「月4回の即売会は、野菜直売の発端でした。チラシを三千枚配布したりして宣伝を行い、野菜は30分もしない内に売り切れました。」

 野菜の直売を行ったのは、女性の組合員による「直販部会」です。

「(直売をした)女性組合員は、大切に育てた野菜が次々と買われていく様子を見て、また、消費者の声を直接聞いて、“作る喜び・売る喜び”を実感されていました。この直売の発想も佐藤組合長のものであり、流通革命でした。」

 佐藤組合長のもとで有機農業の普及に取り組まれてきた中村さんは、職員の時、独自に稲作の「減農薬栽培暦」を作成し、農家に配布しました。

「無農薬、減農薬、一般栽培、このような分類がだんだんと確立されて来ました。消費者も安全性を求めます、(独自の栽培暦で)農薬の使用を少しでも減らそうとしたのです。」

 

 ※矢部町農協は、現在合併して上益城農協(JAかみましき)となっています。

  

JA有機米
JAかみましき 有機栽培米

問い合わせ先:JAかみましき 第3営農センター 加工農産課 電話 0967-73-1250  

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