4年前のことです。以前から気になっていた見岳山に登りました。
見岳山は、現在では「御岳山」と標記されますが、元々は「見岳山」だそうです。見岳山は、男成神社の背後にあります。これって、男成神社の本来の御神体は見岳山そのものだと思いませんか。つまり、男成神社は見岳山の遙拝所ではないかと思います。
山に登る前に男成神社にお詣りしました。神社の駐車場は車で一杯でした。一体何があっているのかと思ったところ、祭があっていて境内では奉納相撲もあっていました。
神社での参拝を終え、頂上に登ることを宮司に報告し、登山口を教えてもらいました。登山口は、丁度男成神社と見岳山とを直線で繋いだ線をさらに北へ延長し、小笹から井無田へ登る道とが交わったあたりです。
車で登れるところまで登り、広場がありましたのでそこで車を止め、後は徒歩で頂上を目指しました。途中開けた道があったので、てっきりそれが登山道だと思い途中まで登りましたら行き止まりでした。上に空の光が見えましたので、這い上れば登れないことはありません。しかし、一人で行動しているので、もとの位置に引き返すことにし、あらためて周囲を眺めました。
先ほどは、開けた道に目が奪われてしまいましたが、よく見ると斜めに走る道らしいものを発見しました。竹が繁って先ほどは気付きませんでしたが、確かに人工的に削ったような法面があります。
それをたどって登りましたら、ほどなくして頂上にたどり着きました。頂上には、師匠から聞いていた堂があり、その中に石仏が安置されています。観音菩薩像です。これが、「宝永4年(1707)矢部勘右衛門重政が稲生村御岳山之絶頂に安置した」と伝えられる観音像です。やっと、会えた思いがしました。
頂上には、観音堂の他に二等三角点(標高633m)が埋設されています。低い山なのですが、不思議なことに矢部の各地から見えます。だから、見岳山と名付けられたのでしょうね。ところが、頂上からは、周囲が杉に覆われて展望はよくありません。面白いことに、この見岳山が一望に見渡せるところに縄文時代の遺跡が点在しているそうです(矢部町史)。
2021年10月29日更新