『ようちゃんの夜』 著:前川 梓 第1回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。 少女の痛み、憧れ、狂気、そして…… 痛いけどやさしい。かわいいけどこわい。 ようちゃんは少し変わっている。一人でじいっと何かを見つめているときもあるし、 「空の向こうから誰かが見てる」と突然言い出したりもする。 亜紗子は、そんなようちゃんがうらやましくてたまらない。 ようちゃんの行動や言葉すべてに、自分にはないもの、 自分がどんなに強く欲しても手に入らないものがある、と。 繊細で濃密で、そして時に残酷な10代の女の子たちのヒリヒリとした日常を、詩的な表現で鮮やかに描き出す。 |