阿蘇家の足跡を訪ねて 4 福王寺(4)

 

  楼門をくぐると石段の両脇に「新四國八拾八箇所」と称する仏像が並んでいます。本堂に向かって右側に44体、左側には47体あって合計91体あるようです。

 

  うち88体については、第1番「釈迦如来」霊山寺から始まり、第88番「薬師如来」大窪寺まで、札所番号、仏像、仏像名そして四国八拾八箇所の各寺名が彫られています。

 

  残り三体については左側の最上段に勢至菩薩と普賢菩薩そしてもう一体は仏像名が記されていません。

 

  この「新四國八拾八箇所」は、明治29年に安置されました。矢部には、矢部三十三カ所観音霊場と云うものが江戸時代に開設されています。今風に云えば、信仰を伴ったフットパスみたいなものですね。ところが、ここ福王寺では、四国八拾八箇所を一同に寄せ集め、ここ一箇所にお詣りすれば四国八拾八箇所を巡礼したことと同じ御利益が得られる。これまた今風の言葉で言えば超「安・近・短」の企画です。

 


2021年10月05日更新