○山都町職員等からの内部公益通報に関する規程

令和6年12月18日

訓令第10号

(目的)

第1条 この規程は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)を踏まえ、山都町、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等の法令等違反に関する、町職員等及び委託先事業者の役職員等からの通報等に対応する仕組みを整備し運用することにより、通報等をした者及び調査協力者(以下「通報等をした者等」という。)を保護するとともに、町組織の自浄作用の向上に寄与することにより町の法令遵守を図り、もって町民の信頼の確保、生活の安定及び町内の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において「町職員等」とは、次の者をいう。

(1) 町の職にある者

(2) 前号の職にあった者

2 この規程において「委託先事業者の役職員等」とは、次の者をいう。

(1) 町が町の事務又は事業を町以外の者に委託し又は請け負わせている事業者並びに地方自治法第244条の2第3項により公の施設の管理を同項に規定する指定管理者に行わせている事業者の役員及びその従業員

(2) 前号の職にあった者

3 この規程において「法令等違反」とは、次のいずれかの行為をいう。

(1) 町及び町職員等の職務の執行について、法令(法律、法律による命令、条例、町が定める各種規則その他の規程を含む。以下同じ。)に違反する行為及びその他不適正な行為

(2) 委託先事業者及び委託先事業者の役職員等の職務の執行について、法令に違反する行為及びその他不適正な行為

4 この規程において「通報」とは、法令等違反が生じ、又はまさに生じようとしていると思料して、その旨を電話、電子メール、郵送又は面談の方法で知らせることをいい、「相談」とは、内部通報に先立ち又は関連して必要な助言を受けることをいう。通報又は相談を併せて「通報等」という。また、通報等は、匿名でも行うことができる。

5 この規程において「内部通報」とは、法令等違反が生じ、又はまさに生じようとしていることを通報窓口又は職制上の上司に通報することをいう。

6 この規程において「通報窓口」とは、町組織内に設置した、利用対象者が通報等をするための窓口(以下「内部通報窓口」という。)をいう。

7 この規程において「利用対象者」とは、通報窓口を利用することができる者のことであり、町職員等及び委託先事業者の役職員等をいう。

8 この規程において「対象事案」とは、通報窓口に対して内部通報された事案をいう。

9 この規程において「通報対応業務」とは、通報等を受け、対象事案を調査し及び対象事案の是正措置等を検討・実行する業務をいう。なお、かかる業務の全部又は一部を実行する場合のいずれであっても「通報対応業務」を行っているものとする。

10 この規程において「通報等をした者を特定させる事項」とは、通報等をした者又は調査協力者が誰であるか認識することができる事項をいう。

11 この規程において「従事者」とは、通報窓口において通報等を受け付ける者及び対象事案の調査に関与する者並びに通報窓口において受け付ける内部通報に関して通報対応業務を行う者であり、かつ、通報等をした者を特定させる事項を伝達される者をいう。

12 この規程において「調査協力者」とは、対象事案に関する調査に協力した者をいう。

13 この規程において「被通報者」とは、法令等違反を行った、行っている又は行おうとしているとして通報された者をいう。

14 この規程において「範囲外共有」とは、通報等をした者を特定させる事項を必要最小限度の範囲を超えて共有する行為をいう。

15 この規程において「通報等をした者等の探索」とは、通報等をした者等を特定しようとする行為をいう。

16 この規程において「処分等」とは、法令等に定める懲戒処分、口頭での指導や注意を含め、町が行うことができる一切の措置をいう。

17 この規程において「不利益な取扱い」とは、通報等をしたこと又は対象事案に関する調査に協力したことを理由とする町、町職員等、委託先事業者又は委託先事業者の役職員等からの、懲戒処分その他の不利益な取扱いをいう。

18 この規程において「発生部署」とは法令等違反が生じ、又はまさに生じようとしている部署をいう。

19 この規程において「是正措置等」とは是正に必要な措置及び再発防止策を併せたものをいう。

(内部通報の体制整備)

第3条 町は、町職員等及び委託先事業者の役職員等からの通報等に対応する仕組みを整備し、通報対応業務を統括する総括通報等責任者を置くこととし、総務課長をもってこれに充てる。

2 総括通報等責任者は、通報対応業務を適切に行うため、次に掲げる内部通報対応体制を整備し、運用する。

(1) 内部通報窓口の設置をすること。

(2) 対象事案が、町長その他町幹部職員に関係する場合、これらの者からの独立性を確保する措置をとること。

(3) 内部通報窓口において、通報により調査中の対象事案と同種案件であるもの、既に対象事案に関する調査又は是正措置等がとられ解決済みであるもの、内部通報をした者と連絡が取れず事実確認が取れないもの等、正当な理由がある場合を除いて、必要な調査を実施すること。

(4) 前号の調査の結果、対象事案について法令等違反が明らかになった場合、是正措置等をとること。

(5) 前号の是正措置等をとった後、当該是正措置等が適切に機能しているかを確認し機能していない場合、改めて是正措置等をとること。

(6) 通報対応業務において利益相反を排除すること。

(7) 不利益な取扱いが行われることを防止すること。

(8) 範囲外共有を防止すること。

(9) 通報等をした者等の探索を行うことを防止すること。

(10) 公益通報者保護法及び町の内部通報対応体制について、町職員等及び委託先事業者の役職員等に対して教育・周知を行うこと。

(11) 従事者に対しては、通報等をした者を特定させる事項の取扱いについて特に十分な教育を行うこと。

(12) 内部通報窓口は、利用対象者から寄せられる内部通報及び相談に対応すること。

(13) 内部通報窓口において、内部通報を受け付けた場合、匿名での通報等で通報者が特定できない場合を除き、当該内部通報に係る法令等違反の中止その他是正に必要な措置をとったときはその旨を、当該内部通報に係る法令等違反がないときはその旨を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該内部通報をした者に対し、速やかに通知すること。

(14) 内部通報窓口に寄せられた内部通報への対応に関する記録を作成し、適切な期間保管すること。

(15) 内部通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し必要に応じて内部通報対応体制の改善を行うこと。

(16) 内部通報窓口に寄せられた内部通報に関する運用実績の概要を適切な業務の遂行及び利害関係人の秘密、名誉、プライバシー等の保護に支障のない範囲において利用対象者に開示すること。

3 総括通報等責任者は、前項に規定する事務を総務課に行わせることができる。

(内部通報窓口)

第4条 町長は、町において通報等を受け付けるため、内部通報窓口を設置し、総務課の職員の中から適当と判断する者を従事者として定め、通報等の受け付けを担当させ、総括通報等責任者がこれを統括する。

2 町長は、前項の規定により指定される従事者に対し、従事者の地位に就くことが当該者自身に明らかとなる方法により伝達する。

(内部通報窓口の利用方法)

第5条 利用対象者は、内部通報窓口に対し、次の各号に定める事項を、通報等することで、内部通報を行うことができる。

(1) 法令等違反に関する事実の内容

(2) 法令等違反が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由

(情報を共有する者の範囲)

第6条 通報等をした者を特定させる事項を総括通報等責任者及び従事者の範囲に限り共有するものとし、正当な理由がない限り、当該範囲を超えて共有しない。

2 通報等をした者を特定させる事項以外の情報についても、共有範囲については慎重に検討することとし、原則として従事者、対象事案の是正措置等を検討又は実行する者に限り共有し、不当な目的に利用してはならない。ただし、当該通報等をした者が予め明示的に同意した場合又はその他正当な理由があると客観的に判断される場合は、この限りではない。

3 対象事案に関する調査により得られた情報のうち調査協力者を特定させる事項は、従事者に限り共有する。ただし、当該調査協力者が予め明示的に同意した場合又はその他正当な理由がある場合は、この限りではない。

4 調査協力者を特定させる事項以外の情報は、従事者に限り共有する。ただし、調査協力者が予め明示的に同意した場合又はその他正当な理由がある場合は、この限りではない。

(調査)

第7条 総括通報等責任者は、通報等の調査を統括し、通報等により調査中の対象事案と同種案件であるもの、既に対象事案に関する調査又は是正措置等がとられ解決済みであるもの、内部通報をした者と連絡が取れず事実確認が取れないもの等、正当な理由がある場合を除いて、直ちに必要な調査を実施する。

2 総括通報等責任者は、町長その他町幹部職員が関与する法令等違反が明らかになった場合、調査に関する独立性を確保するため、顧問弁護士等のモニタリングを受けながら調査する。

3 総括通報等責任者は、内部通報窓口が利用された場合、従事者又は発生部署で上席の者を従事者として定め、調査を担当させる。

(是正措置等)

第8条 従事者は、調査の結果、法令等違反があると認めるときは、速やかに総括通報等責任者に報告し、総括通報等責任者は、被通報者の任命権者等に調査結果を報告する又は是正権限を有する者に対し是正措置等をとるよう要求するなどの措置をとらなければならない。

2 前項の是正措置等の要求を受けた者は、速やかに是正措置等をとるものとする。

3 前項の措置をとった場合には、措置を行った者はその内容を速やかに総括通報等責任者に報告しなければならない。

4 従事者は、第2項の措置がとられた場合には、その内容を、町における適正な業務遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者等に対し、遅滞なく通知するものとする。

5 従事者は、是正措置等をとった後、法令等違反が再発していないか、是正措置等が十分に機能しているか確認するとともに、必要に応じ、新たな是正措置等をとるものとする。

6 従事者は、調査の結果、法令等違反の事実がないと認めるときは、匿名での通報等で通報者が特定できない場合を除き、通報者等に対し、遅延なく通知するものとする。

(協力義務)

第9条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、総括通報等責任者が行う調査に協力する。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、調査を受ける場合には、これに誠実に応じなければならず、虚偽を述べてはならない。

(通報等をした者等の保護)

第10条 町、町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報等をした者に対して、通報等をしたことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、調査協力者に対して、対象事案に関する調査に協力したことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。

3 第1項又は第2項に定める不利益な取扱いが行われた場合には、町は、当該不利益な取扱いを受けた者に対して適切な救済及び回復のための措置を講ずる。

(通報等をした者等の探索の禁止)

第11条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、通報等をした者等の探索をしてはならない。

(秘密保持)

第12条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、この規程に定める場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を開示してはならず、当該情報について秘密を保持しなければならない。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、この規程に定める場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を目的外に使用してはならない。

(利益相反の排除)

第13条 次の各号のいずれかに該当する場合、対象事案の従事者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与する者となることができない。

(1) 法令等違反の発覚や調査の結果により実質的に不利益を受ける者

(2) 内部通報をした者又は被通報者と親族関係にある者

(3) 公正な対象事案に関する調査や法令等違反の是正措置等の検討又は実施を阻害しうる者

2 従事者は、自らが前項各号のいずれかに該当する内部通報を受け付けた場合、他の従事者に引き継ぐ。

3 従事者又は是正措置等の検討若しくは実行に関与する者は、それぞれ業務に着手する時点で、第1項各号のいずれにも該当しないことを確認し、そのいずれかに該当する場合、総括通報等責任者に報告する。

4 前項の報告を受けた総括通報等責任者は、前項の報告をした者を対象事案に関与させてはならない。

(通知等)

第14条 従事者は、内部通報をした者の連絡先の分からない場合を除いて、当該者に対して、当該内部通報を受け付けた旨を、当該内部通報の日から20日以内に通知しなければならない。

2 従事者は、内部通報をした者の連絡先の分からない場合を除いて、当該者に対して、対象事案に関する調査の結果及び是正措置等について、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、速やかに通知しなければならない。

3 従事者は、内部通報をした者の連絡先の分からない場合を除いて、対象事案に関する調査開始後是正措置完了までの間、必要に応じて、第10条第1項に規定する不利益な取扱いを受けていないか確認しなければならない。

4 従事者は、調査協力者に対して、対象事案に関する調査開始後是正措置完了までの間、必要に応じて、第10条第2項により禁止される不利益な取扱いを受けていないか確認をする。

(上司への通報)

第15条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、上司に対して内部通報をすることができる。

2 前項の内部通報を受けた者は、事案の内容等に応じて、自ら事実確認を行い是正する、従事者に法令等違反が生じ、又はまさに生じようとしている旨を伝える、自らの所属長に対して当該内部通報に係る事実を伝える、内部通報をした者の秘密に配慮しつつ調査を担当する部署等に情報共有する等の方法により、調査や是正に必要な措置を速やかに実施するなど、必要な措置を講ずる。

3 上司への通報も、内部通報として次のとおり保護する。

(1) 町、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等は、上司に対して内部通報をした者に対して、内部通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。

(2) 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、内部通報をした者を特定させる事項を範囲外共有してはならない。

(3) 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、上司へ内部通報をした者を特定しようとしてはならない。

(法第3条2号又は3号通報を行った者の保護等)

第16条 町、町職員等、委託先事業者及び委託先事業者の役職員等は、法第3条第2号及び第3号に定める保護要件を満たす公益通報をした者に対して、当該通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを行ってはならない。

2 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、前項に定める公益通報をした者を特定させる事項を範囲外共有してはならない。

3 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、第1項に定める公益通報をした者を特定しようとしてはならない。

(不正の目的による通報等の禁止)

第17条 町職員等及び委託先事業者の役職員等は、虚偽の通報等や、他人を誹謗中傷する目的の通報等その他の不正の目的の通報等をしてはならない。

2 町は、前項に違反している可能性が高いと認められる場合には、前項の違反の有無を調査した上で、当該違反者に対して適切な処分等を課すことができる。

(処分等)

第18条 第7条による調査の結果、法令等違反が明らかになった場合には、町は、当該法令等違反に関与した者に対して適切な処分等を課す。

2 前項に定めるもののほか、町はこの規程に違反した者に対して適切な処分等を課す。

(留意事項)

第19条 通報等をした者は、通報等をした情報が拡散することにより自らが不利益な取扱いを受ける可能性が高いことに鑑み、当該情報の管理に留意する。

2 調査協力者は、調査に関する情報が拡散することにより自ら及び通報等をした者が不利益な取扱いを受ける可能性が高いことに鑑み、当該情報の管理に留意する。

(教育・周知)

第20条 総括通報等責任者は、個人情報等の保護に配慮した上で、通報窓口の運用実績について町職員等及び委託先事業者の役職員等に対して周知する。

2 総括通報等責任者は、町長その他町幹部職員を含む全ての町職員等及び委託先事業者の役職員等に対して、定期的に公益通報者保護法及び町の内部通報対応体制に関する教育・周知を行う。

3 総括通報等責任者は、従事者及びそれらの担当者となる可能性の高い町職員等及び委託先事業者の役職員等に対して、この規程の適切な運用を確保するため、定期的に教育及び研修を行うこととし、通報等をした者を特定させる事項の取扱い等について特に十分な教育を行う。

(この規程に基づく体制の整備、運用及び改善等)

第21条 総括通報等責任者は、利用対象者の利便性を高めるため、利用対象者の意見を聴取した上で、この規程に基づく体制の整備、運用及びその改善に努める。

2 総括通報等責任者は、町長に対して、この規程に基づく体制の整備及び運用状況等について定期的に報告する。

3 総括通報等責任者は、この規程に基づく体制の整備及び運用状況等について、定期的に客観的かつ公正な方法による評価、点検等を行い、必要に応じて改善策を講ずる。

4 総括通報等責任者は、通報窓口に寄せられた内部通報に関する運用実績の概要を適切な業務の遂行及び利害関係人の秘密、名誉、プライバシー等の保護に支障のない範囲において、各年度の終了後、速やかに公表する。

(通報等の関連文書の管理)

第22条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については、文書管理に関する法令等に基づき適切な方法で管理しなければならない。

(その他)

第23条 この規程の実施に必要な様式については、総務課長が別に定める。

この規程は、公示の日から施行する。

山都町職員等からの内部公益通報に関する規程

令和6年12月18日 訓令第10号

(令和6年12月18日施行)

体系情報
第4編 事/第4章 職員厚生
沿革情報
令和6年12月18日 訓令第10号