○山都町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年12月4日

告示第70号

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法第123号)第115条の45第2項第6号に基づく認知症初期集中支援推進事業の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。

(目的)

第2条 本事業は、認知症の人やその家族に早期に関わり、認知症初期集中支援を行う認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を設置し、認知症の早期診断・対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(支援チームの実施体制)

第3条 支援チームは、山都町役場に設置するものとし、山都町内全域を活動範囲とする。

2 支援チームは、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行う。

3 支援チームは、地域包括支援センター職員や町保健センター職員、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症専門医、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

4 支援チームは、地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う等、各地域の実情に応じた普及啓発の取り組みを行う

(支援チームの構成)

第4条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、本条第1号を満たす専門職2人以上、本条第2号を満たす専門医1人の計3人以上の専門職で編成する。

(1) 次の要件をすべて満たす者2人以上とする。

 「保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士」等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者

 チーム員は国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識・技能を修得するものとする。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

(2) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師1人とする。ただし、上記医師の確保が困難な場合には、当分の間、以下の医師も認めることとする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のあるもの。

 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有するもの(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(チーム員の役割)

第5条 前条第1項第1号を満たす専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 前条第1項第2号を満たす専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。

3 訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1人以上の計2人以上で訪問する。

(訪問支援対象者)

第6条 訪問支援対象者は、原則として、40歳以上の町民で、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる人又は認知症の人で、次のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者又は中断している者で以下のいずかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(認知症初期集中支援)

第7条 支援チームは、次に掲げる事項について実施する。

(1) 訪問支援対象者の把握

支援チームが地域包括支援センター又は町保健センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮することとし、チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターと情報共有を図る。

(2) 情報収集及び観察・評価支援チームは、本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、信頼性・妥当性の検証がされた観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。

(3) 初回訪問時の支援支援チームは、初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行う。

(4) 専門医を含めたチーム員会議の開催支援チームは、初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行う。必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センター職員、町保健センター職員等の参加も依頼する。

(5) 初期集中支援の実施支援チームは、医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行う。なお、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6箇月とする。

(6) 引き継ぎ後のモニタリング支援チームは、初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、地域包括支援センターや担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引き継ぎを行うこととする。チーム員会議において、引き継ぎの2箇月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

(7) 記録等の保管支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間、適切に管理、保管しなければならない。

(検討委員会の設置)

第8条 医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を地域包括支援センター運営協議会内に設置し、関係機関・団体と一体的に当該事業を推進していくための合意形成を図る場とする。

2 検討委員会は、支援チームと医療関係者との連携を図るため、認知症疾患医療センターや地元医師会との事前協議や主治医(かかりつけ医)に対する連絡票等情報の共有化に向けたツールの作成やそれを用いた地域の連携システムの構築を図る。

3 検討委員会において、支援チームの設置及び活動状況を検討する。

(個人情報の保護)

第9条 チーム員は、本事業に関して収集した個人情報については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び山都町個人情報保護法施行条例(令和5年山都町条例第9号)の定めに従い、訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報やプライバシーの尊重、保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(委任)

第10条 この要綱に定めるもののほか、この実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この要綱は、告示の日から施行する。

(令和5年3月29日告示第28号)

1 この告示は、令和5年4月1日から施行する。

山都町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年12月4日 告示第70号

(令和5年4月1日施行)