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教育・育児

「肥後領内名勝地」のうち「五郎ガ瀧」・「聖リ瀧」の国名勝指定について

最終更新日[2015年6月12日]
 

はじめに

平成27310日付け文部科学省告示により、「矢部四十八滝」として町民の皆様に親しみ深い「五老ヶ滝」と「聖滝」が国名勝に指定されました。

 熊本藩主8代細川斉茲(ほそかわなりしげ)の命により制作された「領内名勝図巻(りょうないめいしょうずかん)」(公益財団法人永青文庫 所蔵)に描かれている肥後国領内の山、川、海の眺望をはじめ、瀑布、名所など、現在でも照合が可能な風景地のうち、県内5ヵ所(八代市:1件,氷川町:1件,山都町:2件,球磨村:1件)を一括して指定するものです。

 なお、指定名称にある「五郎ガ瀧」ならびに「聖リ瀧」は、「領内名勝図巻」の表記に準じたものです。

 

指定概要

 [ 指定名称 ]

   肥後領内名勝地 五郎ガ瀧 聖リ瀧 走リ水ノ瀧 建神ノ岩 神ノ瀬ノ岩屋

  (ひごりょうないめいしょうち ごろうがたき ひじりたき はしりみずのたき たてがみのいわ こうのせのいわや)

 [ 指定区分 ]

   名勝(記念物) 

 [ 指定年月日 ]

   平成27310

 [ 指定面積 ]

   五郎ガ瀧:7,360.72平方メートル  聖リ瀧:10,717.78平方メートル

 

「領内名勝図巻」について

寛政3年(1791)正月、熊本藩主細川斉茲が矢部に狩りに訪れた際に、「千滝」および「五老滝」(名称の表記は、史料原文のまま)を上覧し(「郷党歴代拾穂記 天・地」 男成文書 町指定文化財)、その後、同年9月には国中の滝や山川の風景を描くよう命があり、藩の「御絵書」であった矢野良勝、衛藤良行らが同地を訪れています(「自家年代畧記」 男成文書)。寛政5年(17932月の完成後、直ちに江戸へ送られていますが、斉茲と交友のあった大名に披露する約束をしていることが史料より伺うことができます(註1)。

 「領内名勝図巻」は、18世紀後半に流行する同種の絵画において、先駆的位置にあり、かつ近世大名層の風景観を示す史料として非常に貴重な文化財といえます。今回の指定は、「領内名勝図巻」自体の評価のみならず、それに描かれた景観地と併せて保護を図ることで、文化財としての多様な価値をとらえようとする試みでもあります。

 

「五郎ガ瀧」について

五郎ガ瀧 写真

五郎ガ瀧 写真(撮影:2010年 山都町教育委員会)

 五郎ガ瀧は、一級河川緑川水系五老滝川の滝で、国指定重要文化財「通潤橋」より約200m下流に位置します。規模は、高さ(落差)約36m(地形図の標高値より算出)、幅(滝口)約7.9mを測ります。

名称については、天文13年(1544)阿蘇惟豊が後奈良天皇より従三位に昇叙された際に、矢部に下向した勅使烏丸光康が見物したことが契機となり、「遊覧を方々に転じてごろふすると云」ことが由来となったと伝わります。(「矢部風土記」渡邊質 天保11年(1840))この伝承をはじめ、五郎ガ瀧には古くから名勝として人々から意識されていたことを示す史料や詩歌が残ります。また、千滝と同様に「領内名勝図巻」の製作の発端となった滝であり、景観そのものだけでなく、名勝地として認知されてきた履歴が明らかな貴重な文化財といえます。

平成234月には、阿蘇火砕流堆積物と関係の深い滝の形成過程や周辺の地形が、熊本を代表する地質学的特徴を示すとして、県指定天然記念物にもなっています。

 

「聖リ瀧」について

聖リ瀧 写真

聖リ瀧 写真(撮影:2011年 山都町教育委員会)
 聖リ瀧は、一級河川緑川水系笹原川の滝で、町指定文化財「聖橋」の約400m下流に位置します。規模は、高さ(落差)約31.1m(地形図の標高値より算出)、幅(滝口)約9.5mを測ります。

 その名称は、滝の中腹の岩が修行をしている僧侶の姿に似ていることに由来します(「矢部風土記」)。文献史料においては、五郎ガ瀧と同様に、森本一瑞により明和9年(1772)に著された『肥後國誌』などの地誌をはじめ、江戸時代末期の「名所名物数望附(めいしょめいぶつすもうつけ)」には、「二段目前頭」としてその名が挙がっています(註2)。また、「領内名勝図巻」の製作と関連が指摘される「肥後國諸瀑布圖(ひごこくしょばくふのず)」にも描かれており(註3)、当時より周知されている名勝地であったことが分かります。

 以上のように、「領内名勝図巻」に描かれている当時の風致景観がほぼ原型を保っており、かつ豊富な史料より人々より名勝地として認知されている経過が明らかな貴重な文化財といえます。

 なお、平成23年4月には、県天然記念物に指定されています。

 

 ※ 註

  註1)蓑田 勝彦 2006 「「領内名勝図巻の成立と熊本藩「御絵書」のストライキ」 『史叢』 第11

  註2)松本雅明 監修 1983 『肥後讀史總覧』 鶴屋百貨店

  註3)井形 栄子 2009 「永青文庫所蔵《領内名勝図巻(御国中滝之画)》」 『熊本県立美術館研究紀要』 第10号

 

主要参考文献

   渡辺一徳・田口清行 2002 「繰り返し再現された「熔結凝灰岩にかかる五老ヶ滝」」 『熊本地学会誌』 No.130

   蓑田 勝彦 2006 「「領内名勝図巻の成立と熊本藩「御絵書」のストライキ」 『史叢』 第11

   井形 栄子 2009 「永青文庫所蔵《領内名勝図巻(御国中滝之画)》」 『熊本県立美術館研究紀要』 第10号

 

リンク

  ・名勝については〔文化庁ホームページ〕

  (ホーム > 統計・白書・出版物 > 出版物・パンフレット等 > 文化財に関するパンフレット > 日本語版 > 記念物保護の仕組み)

  http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/shuppanbutsu/bunkazai_pamphlet/pdf/pamphlet_ja_10.pdf

文化庁ロゴ

  ・観光情報、交通アクセスについては〔山都町観光ナビ〕
 (ホーム > 山都町観光ナビ > 観光マップ > 五老ヶ滝)

  http://www.town.kumamoto-yamato.lg.jp/kanko/map/pub/detail.aspx?c_id=56&id=396&p=1&mst=1&dr=1

 

 

 

 




 

 


 

 


 

 


 


 

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