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有機の人(6)

最終更新日:

 中村司郎(なかむら しろう)さん 昭和32年生まれ 葛原(くずはら)

 

中村司郎さん

  

「有機農産物のリレー出荷」

「基本は、この地域でいかに反収(10aあたり収量)をあげるかです。近くの三ケ地区では、以前から有機農業をしていました。地形が悪く、経営面積が少ない条件の中で、普通の農業では、収入が上がりません。ここで、専業農家で立っていく術(すべ)は、有機農産物のリレー出荷しかなかったのです。」

 中村司郎さんの住まいは、町の最も西にあり、すぐ隣は御船町の水越(みずこし)地区です。標高は200mから300mの中間地。その条件を活かして、家から車で30分以内のところに、平坦部から、中間地、山間地、それぞれに圃場を持ち、カブやニンジン、サトイモをはじめ、20品目程度の作物を、年間を通して生産しています。

「一年間の収入を平均化するためです。ここでは、一作で「バン」とは稼げませんから。」

「(それぞれの圃場で)作りやすい時に、作りやすい物を作ります、適地適作です。そうすれば、病気も出にくく、虫もつきにくいのです。」

豊美さん司郎さん
中村豊美(とよみ)さん 司郎さん 

 中村さんは、昭和55年、23歳の時に豊美(とよみ)さんと結婚。当時は、家から足場を組む会社に勤めながら農業をしていました。そして、25歳の時に、「勤めながらよりも、農業専門でいこう」と、農業に専念します。最初は、慣行栽培でお米とピーマンを生産し、農協に出荷していました。専業農家として数年経った時、あるキュウリ農家の方が、自分の家で食べる分を、出荷用とは別に作っているところを目にします。

「ちょうど次男と三男が生まれたばかりで、小さい時でした。自分が作った野菜は、大丈夫なのかと考えました。」

それから有機農業に取り組もうと模索していた時、近くの同級生から学校生協との取引をすすめられ、そこに出荷するようになります。その後、「グリーンコープくまもと」と取引がある生産者団体「愛農会」から、出荷の依頼を受けます。

「平坦部は、冬は野菜があるけれども、春夏がありません。愛農会は、御船から清和までの産地で、リレー出荷の体制を作ろうとしており、中間地の生産物が求められていたのです。」

牧野ニンジン畑
牧野のニンジン畑

有機農業では、土づくりがより重要となります。土壌分析を肥料メーカーに委託、施肥設計に基づいて有機肥料を投入します。

「サトイモやピーマン、ナスなど、栽培期間が長いものは、失敗すると高くつきます。勘では収量が取れませんから。」

「堆肥は、牛糞、鶏糞、豚糞を使ってみましたが、これらを毎年替えるのが一番良いようです。」

また、同じ圃場で、同じ作物を作り続けると収量が減っていくことから、どの圃場も全て、毎年作物を替えています。

「記録をしているので、わからなくなることはありません。また、作物は同じでも、圃場の一枚、一枚で違います。マニュアルよりも現場の把握の方が大切です。」

カブ
カブ

ツクネイモ
ツクネイモ

町と町の境で、標高としても中間地に住む中村さんは、「ここだからこそ、標高の違う圃場を使って、年間を通した作物の栽培ができる」ととらえました。

「全てが経験です。私の家は町境にあります。色んな所に行って、積極的に人と付き合って、情報を入れながら常に勉強をしてきました。自分から出て行って、求めないと情報は入りません。」

「売り先がないと、有機農業は難しいです。だけど、相手の顔が見えるのが有機農業です。」

 

 ※中村司郎さんのお米や野菜の出荷先

  株式会社 肥後やまと フェイスブック

  土のめぐみホームページ

 

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