ここは、矢部三十三箇所観音霊場の7番札所となっており、ご本尊は十一面観音菩薩です。

 

祭壇には、そのほかに地蔵菩薩や金剛力士そして不動明王などが祀られています。

 

前回の「せんだい地蔵」のところで、「忠光院殿、光厳寺口」と刻銘があると紹介しました。忠光院殿とは阿蘇惟忠のことですが、元県文化課にお勤めだった前川清一先生の説によれば、光厳寺口の判読できない口の部分は恐らく殿であり、光厳寺殿とは阿蘇惟豊の父惟憲のことであろうと述べられています。さすれば、この光厳寺は、阿蘇惟憲の追善供養の為に建てられた観音堂かも知れないと倉岡良友先生は推定されています。

 

本堂の左には、猿田毘古大神のほか宝篋印塔の残欠その他もろもろが石造物が寄せられています。また本堂右には、転々と板碑も残っています。

2021年10月14日更新