「くんち」と言えば「長崎くんち」が有名ですが、阿蘇神社系統の神社でも「九日祭」を行います。

 

 「(お)くんち」もその語源により「(御)九日」、「(御)供日」「(御)宮日」と幾つかの使い分けがあります。

 

 旧暦の99日、重陽の節句に行われた祭であることから「九日(くんち)」という表記を使用しているところがあります。「長崎くんち」なんかがそうですね。ただ、現在は休日に祭りを開催することが多いので「九日」と言う表記を使わず「くんち」と称しています。

 

  また、お宮に対して祭を行うため「宮日」が「くんち」になったという説もあります。

 

 さらには、収穫した作物を神に供える日、「供日(くにち)」から転じて「くんち」になったとする説もあります。

 

 ぼくが、師匠井上清一先生から教わったのは、阿蘇神社系統の神社では供日(くにち)から「くんち」と称され、毎月九の付く日に祭りが行われていたそうです。

 

 九日の事を初(はつ)九日、十九日のことを中(なか)九日、そして二十九日のことを弟(おと)九日と称していたそうです。

 

 現在残っているのは10月9日の「くんち」だけでしょうから、やっぱり旧暦の9月9日(重陽の節句)は特別の日だったのでしょうね。

2021年10月25日更新