移住して、10年。 石井さん 最終更新日:2016年10月7日 山の景色が、幸せを導いてくれました。 山の景色が、幸せを導いてくれました。 「もともと一人で旅に出るのが好きで、独身の頃はよく国内の島々を渡り歩いていました。屋久島に行った時、宮之浦岳という九州で一番高い山があって、初めて登山靴を買ってそこへ登りました。その時、山の魅力に取り憑かれて。」いろんな山に登るようになり、山が大好きなったと話す石井陽子さん 当時、福岡で歯科医院の勤務医をしていたご主人、洋一さんには、付き合い始めて最初の誕生日に登山靴をプレゼント。一生に登山を楽しむようになった。 その後、結婚し、子どもが出来て「育児は大変でしたが、登山は諦めたくなかった。だから子どもを背負子に背負って登っていました。」と、アルバムのページをめくりながら、懐かしそうに当事を振り返る。 山に囲まれていてここがいいと即決 洋一さんが歯科医院を開業するために物件を探していた時、たまたま知り合いの歯科業者に山都町の物件を紹介された。見に行くと、周囲が山に囲まれていて。「二人とも『ここがいい!』と即決でした(笑)」 子どもを自然の中で育てたいという思いはずっと持っていた。また洋一さんには、都会の競争社会の中で開業するよりも、患者さんの顔をみながらゆっくり地域医療に取り組みたいという思いもあった。 子どもとの時間に幸せを感じる 「家の周りを散歩していると、タマムシとかナナフシ、ミヤマクワガタなんかも、たくさんいたりして。子どもと一緒に山に親しむ感じで、日々の暮らしを楽しんでいます。不便じゃないですか?と言われることもありますが、便利すぎてモノにあふれた都会が嫌でこっちにきたので、不便さは嫌だとは思いません。野菜や猪肉などのおすそ分けをよくいただくので、食材には困りませんし(笑)」 四季を感じる豊かな生活 冬は雪は数十センチ積もることもあるが、子ども達はソリ遊びが楽しくてしかたない。夏は、エアコンなしでも涼しく過ごせる。 「震災があり、価値観が変わってきたと思います。必要なものだけあればいいと思うようになりました。経済的にということではなく、心が豊かになる生活をしていると思います。四季を感じられるというのもそうです。都会には土がありません。子どもには土を触りながら育ってほしい。そういう価値観を持った人が山都町に来ると、幸せがたくさん見つけられると思います。」 阿蘇山が望める大きな窓から、ふんわりと心地よい風が吹き込んだ。